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2012年6月10日 (日曜日)

放医研をいわきに!〈誘致する会市民大会〉

Xmg_24466月9日、いわき市文化センターで「放医研をいわき市に誘致する会総会(市民大会)」が行われました。会長が小野栄重・いわき商工会議所会頭、「私たちも応援してます」代表として長谷川徳男・いわき医師会会長、国・県・市の各議員の方々も参加され、いわき市あげて放医研の誘致に取り組むことが確認されました。

Xmg_2489放医研というのは独立行政法人放射線医学総合研究所のこと。ビキニ環礁での水爆実験で漁船の乗組員が放射線被曝したことで知られる第5福竜丸事件や、原発等原子力の平和利用を進めるため、1957年に設立された機関です。常勤、非常勤合わせて約900人が勤務されているということですが、独立行政法人の中では2番目に小さな組織だそうです。体内の断層撮影をするPET診断というのがありますが、この技術を開発したのは放医研だとのこと。1999年のJCO臨界事故でも患者の治療に当たった機関だそうです。
http://www.nirs.go.jp/index.shtml

取り組んでいるテーマは

  • 放射線の人体への影響
  • 放射線による人体への障害の予防、診断、治療
  • 放射線の医学利用(放射線治療など)

といったこと。

第1部として放医研の研究基盤センター長である取越正巳さんが講演され、放医研について詳しく語られました。放医研では5つのセンターがあり、それぞれに担当している研究内容が異なります。講演から、各センターについてご紹介します。

Xmg_2461_3【放射線防護研究センター】
人体や環境への放射線の影響を研究。自然に存在するラドン、CTスキャンなど医療における被曝、飛行機に乗った場合の被曝などを調査しているそうです。震災後注目されている低線量被曝の影響もここで研究を進めているとのこと。

【緊急被ばく医療研究センター】
放射線被曝をした場合の緊急医療体制としては、全国の中核機関として三次被曝医療機関、地域レベルで地域三次被曝医療機関、その下のレベルで二次被曝医療機関、初期被曝医療機関という形になっているそうです。放医研はその中の全国レベルの三次医療機関と地域三次医療機関の役割を担っています。IAEA(国際原子力機関)加盟国での被曝事故に対する医療協力、アジア諸国に対する人材育成のための研修なども行っているとのこと。

【重粒子医科学センター】
Xmg_2469_2Xmg_2472_3Xmg_2477_2いたのが、このセンター。体内の深部にのみ放射線量を集中できる「重粒子線」を用いたガンの放射線治療を行っています。講演後、取越さんに伺ったら、よそで手のつけられないようなガン患者ばかりがやってくるとのこと。手術不能とされた骨肉腫も重粒子線できれいにガン細胞を除去した例を示されました。この技術があればガンの「日帰り治療」も可能だということです。「午前中の検査でガンが見つかったから、午後からちょっと取りに行こうか」というレベルなのだとか。
この治療を支えるのが重粒子を加速するための機械、HIMAC。理屈が今ひとつ分かりませんが、長さ120m、幅65mに及ぶ巨大なこの加速器で重粒子を高速の84%(!)まで加速し、体内に照射するのだそうです。この機械は何と330億円!(現在では技術開発が進み、サイズ、コストとも3分の1まで低減できている)
あらゆるガンに適用できるのかどうか分かりませんが、夢のガン治療が可能になりつつあるのかも知れません。

【分子イメージング研究センター】
分子イメージングとは、生物が生きた状態のまま、体の外から遺伝子やタンパク質等の動きを観察する技術、とのこと。アルツハイマーの治療やガンの診断に役立てられているそうです。

放医研は震災後、オフサイトセンター(現地対策本部)、Jビレッジ、福島県立医大などにおいて放射線被曝への対応について指導や助言を行い、第一原発内で被曝した患者の線量評価や除染なども行ってきたということです。原発事故への対応はいろいろと報じられてきましたが、そこに放医研が深く関わっていたことを初めて知りました。

これからいわき市内でこの機関を誘致するための活動が進められます。非常に素晴らしい研究機関であり、震災後の日本においてきわめて必要性が高いのは言うまでもありません。いわき市は陸上および海洋において放射線被害を受け、原発立地地域から多くの避難者を受け入れ、原発作業員の方々の前線基地でもあります。放医研が立地するのにこれ以上適した地域は恐らくないでしょう。放射線被害への対応というだけでなく、ガン治療をはじめとした地域医療にとってもきわめて意義のある施設になると思います。

「放医研をいわき市に誘致する会」の活動の1つは署名活動です。ネット上でも署名が可能ですので、多くの方々にご協力を頂ければと思います。
http://iwaki-cms.net/invitation/index.html

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