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2012年1月16日 (月曜日)

海洋汚染の現状<サイエンスカフェ>

Xmg_0761_3いわきニュータウンの福島県水産会館で「第3回いわきサイエンス・カフェ~いわきの海と魚を語ろう~」が開催されました。いわき市の場合、陸上の空間線量はある程度落ち着いていますが、海がどうなっているのかずっと気になっていました。

Xmg_0763今回は福島県水産試験場の水野拓治水産資源部長が「水産物における放射性物質のモニタリング経過について」、築地市場・(株)神奈辰の栗竹俊夫社長が「築地市場から見たいわきの水産物について」お話をされました。レクチャーの後で質問等を付箋に書き、それに答える形で意見交換が行われました。参加者が研究機関、漁業関係者、流通加工関係者、観光関係者、行政、報道関係者といったその筋の方々のため、とても中身の濃い会で、勉強になりました。

以下、印象に残ったことを箇条書きで記します。

・水産試験場ではいわき海域と相双海域で、魚類、イカ・タコ、甲殻類、貝、海藻など142種類の魚介類のモニタリングを行っている。4月から12月の間で延べ1972回の検査を行い、暫定規制値を超えたのが130回(暫定規制値は放射性ヨウ素が2000Bq/㎏、放射性セシウム134と137の合計が500Bq/㎏)。
・規制値を超えたことのあるものは次の通り。アイナメ、イシガレイ、ウスメバル、ドンコ、キツネメバル、クロソイ、コウナゴ、コモンカスベ、シラス、シロメバル、スズキ、ナメタガレイ、ヒラメ、マコガレイ、ムラソイ、ホッキガイ、ムラサキイガイ、キタムラサキウニ、アラメ、ヒジキ、ワカメ。
Xmg_0766・いわき海域で平均値が高いのは順に、コウナゴ、シロメバル、クロソイ、ヒジキ、アイナメ、キタムラサキウニ、コモンカスベ。
・暫定規制値が現在の500Bqだと規制値を超えるものは21種だが、間もなく基準が100Bqに変更される予定で、その場合65種が規制値を超えてしまう。
・時系列で見ると、明確に低下傾向にあるのはシラス、ホッキガイ、アワビ、アラメ等で、大部分は低下傾向が見られない。
Xmg_0813・海域としては福島第一原発より南の海域で規制値を超える検体が多い。最も多い海域はいわき市北部の近海(水深50mまで)、次がいわき市南部の近海(同)。
・海水中の放射性物質は5月→10月で激減している。現在は不検出のところが多い。
・海底土壌は波と流れにより天然の除染がなされている。5月→11月で沿岸から沖合に放射性物質が移動している。水深10mのところでは半年で10分の1ほどになり、逆に100m以上のところは増加傾向。水深1000mのところまで運ばれて落ち着くのではないか。岸→水深100mに対し、水深100m→1000mでは3倍ぐらい時間がかかるのではないか。湖沼は流れがないのでとどまってしまう。
・底質(海底の表層)が違うと線量が違う。
・体の大きい魚に多く蓄積される等のデータはまだ見られない。
・築地では常磐ものの評価は非常に高い。特に原釜の穴子、常磐もののスズキ、マコガレイ、アイナメなど。
・小名浜の干物は有名。それに対する価値観は変わっていない。
・築地としては荷が来れば受け入れるが、値が付くかどうかは何とも言えない。
・築地は常磐ものの復活を待ち望んでいる。

Xmg_0793昨日はNHKスペシャルで「知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」が放送されましたが、この中でも沿岸流と呼ばれる潮の流れで放射性物質が南下し、Xmg_0804銚子沖まで至っていることが報じられていました。また、群馬県の湖の土壌が高線量であること、東京湾に注ぐ河川の河口が高線量で、河口から8㎞さかのぼったところがさらにその2倍の線量であるとのこと。海と湖沼の汚染は時々刻々移り変わっているようです。

Xmg_0809これらの話を総合すると、海水の線量は問題なくなっているが、海底の土壌に放射性物質が蓄積していることが問題ということですね。海底に住む魚や海藻が放射性物質を取り込み、食物連鎖で大きな魚にそれが取り込まれる。親から子へと放射性物質が遺伝することはないので、Xmg_0799土壌からの取り込みがなくなれば、次第に魚も浄化されてくるわけです。早く常磐ものの魚が日本中に流通できる日が来ることを願っています。

「いわきサイエンス・カフェ」は11月から始まっており、これまでに福島県漁連の野﨑哲会長、東京海洋大の石丸隆教授などがお話をされているようです。今後も正確で詳細な情報提供の場として継続していただきたいと思います。
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/bukyoku/noseisuisanbu/suisanshinko/013043.html
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/bukyoku/noseisuisanbu/suisanshinko/013100.html

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