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2011年11月 1日 (火曜日)

よみがえれいわき!〈アクアマリンとハワイアンズ〉

Xmg_0192この10年、いわきの交流人口を引っ張ってきたのは、疑いなくスパリゾートハワイアンズとアクアマリンふくしまです。両者とも、震災で大きな被害を受けました。ハワイアンズは地下に活断層が走っており、プールを始めとしたメインの施設が大打撃を被りました。アクアマリンは電源が何カ月間も喪失し、9割近い魚が死滅しました。

両施設が今、奇跡の復活をかけて立ち上がりました。昨日はその姿を見に、「アクアマリンふくしま復活記念公開講演『今よみがえるシーラカンス~復活が産む進化学と工学の融合による豊かな展望~』」(長い!(^^;))と映画「がんばっぺフラガール」に行ってきました。

アクアマリンでは熊本水賴・京大名誉教授の司会で、安部義孝館長、佐藤隆一・金沢工業大教授、大西公平・慶應義塾大教授が講演をされました。

アクアマリンのシーラカンス研究は「生きた化石」の謎を解き明かすワクワク感が注目を集めていると思っていましたが、この日の話を聞くと、流体力学、原子力工学、ロボット工学など工学系の分野に貢献しうる実用的な側面があることが分かりました。

Xmg_0158佐藤教授によると、シーラカンスには10枚のヒレがあり、アクアマリンの探索で得られた映像を解析すると、非常に単純な制御でこの10枚が動いていることが分かったとのこと。この単純さが安定したシステムを生み出すということで、ロボットなどの動きに応用しようとしているそうです。Xmg_0185大西教授は「超臨場感技術」を開発しており、物体の触覚(つまり硬さなど)を通信回線で伝え、遠隔地にいるのにその物体の硬さを感じ取れる、という技術を作り上げています。例えば、大学のキャンパスから2キロ離れた場所で、スポンジや金属の感触を認識することが出来るというのです。そうした運動制御技術のヒントがシーラカンスにあるそうです。なるほど、面白い。

Xmg_0137安部館長の言葉も示唆に富むものでした。今回の震災の被害は、「学際」を軽んじた結果である、ということです。例えば、「防災」ということの中には様々な分野がクロスオーバーするのであって、それがうまくできていなかったために被害を防げなかった、というようなことかと思います。震災後生き残った魚はオウムガイなど「生きた化石」と呼ばれるもので、彼らは何億年も生き残ってきた「変化に強い魚」です。我々はそれらに学ぶことが出来るのではないかということでした。

Xmg_0186講演会はすばらしい教授陣による学術的なもので、アクアマリンの一つの側面を見ました。講演後館内を一回りすると、だいぶ通常の姿に近づいてきましたが、トドが戻ってきていない、ナポレオンフィッシュやチンアナゴも見当たりませんでした。まだ完全とは言えない状態なのでしょう。お客さんもいないわけではないけれども通常ベースにはまだ戻っていないようでした。歯を食いしばって何とか挽回してもらいたいものですが、館長始め前向きな取り組みには勇気をもらいましたし、それを支えてくださろうとする学者の方々の取り組みを知ることが出来ました。

Xmg_0190_2屋外では今年の国際環境芸術祭の一環で、アクアマリンのデザインを手がけてこられた伊藤隆治さんのお父さん、伊藤隆道さんの作品が展示されており、人目を引きます。あれ、ちょっとすてきなオブジェだな、と思ったら、何と伊藤さんの作品でした。

Xmg_0199夜7時半からはポレポレいわきにおいて、家族5人で「がんばっぺフラガール」を見ました。この映画は、震災から再オープンに至るハワイアンズの姿を追ったドキュメンタリーです。被災後「もうダメだ」と誰もが思ったほどの建物の壊滅的な被害。しかし再生を目指し、フラガールたちは全国キャラバンへ。Img_01その一方で広野町出身のフラガールが防護服を着て実家に一時帰宅したり、探し出したペットに毎日会いに行ったりする姿、ファイヤーダンスをする男性がキャラバンでは火を使えないため、掃除など地味な仕事を黙々とこなす姿、ハワイアンズが避難者を受け入れ交流する姿、など事実そのものが淡々と描かれています。蒼井優ちゃんがナレーションをしてくれているのがちょっと嬉しいです。

いわき市民にとってはあまりにも身近な場所なので、どれもこれもが他人事ではありません。「ハワイアンズ、あんなんだったんだね~」とは長女の言葉。公開館は全国で22カ所。映画「フラガール」のようなヒット作というわけにはいかないかも知れませんが、全国の人たちに「いわきは元気だ」ということを示す大切な映画になって欲しいと思います。

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