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2011年1月19日 (水曜日)

東洋の製薬王の偉大な足跡〈星一命日〉

Mr_hoshi_hazime_s本日はいわきが生んだ「東洋の製薬王」星一の命日でした。

星一? 皆さんご存じでしょうか。セイイチ? ホシイチ? いえ、ホシ・ハジメです。

この方について語り始めると一晩かかってしまうので、かいつまんでご紹介すると…

  1. ショートショート作家・星新一の父。息子はSF作家だが、自身は人物がそのままSF的。
  2. 日本最大の製薬会社「星製薬」を一代で築き上げ、それまで輸入に頼っていた、外科手術に不可欠なモルヒネの国産化に成功するなど、「東洋の製薬王」と呼ばれた。星製薬はチェーンストアという販売方式を日本で初めて確立した。
  3. 星薬科大学の創立者。これは星製薬の教育部門が発展したもの。
  4. 衆議院議員として3回、参議院議員として1回当選。いわき地方で行った選挙戦では「選挙大学」を開講し、女性など当時選挙権のなかった人たちも対象にして民主主義のあり方などを説いた。戦後初の参院選全国区でトップ当選を果たした。
  5. 第一次世界大戦で敗戦したドイツに資金援助。昨年はそれに感謝するドイツ政府が記念碑を寄贈し、勿来市民会館で除幕式が行われた。
  6. 野口英世と同時代人で、アメリカで共に苦学した。英世が母親孝行するために帰国するときの資金は星一が全額出した。英世と一緒にエジソンに会いに行ったりもしている。
  7. モットーは「親切第一」。親切が世界を救うと説き、冊子化された「親切第一」は昭和42年まで102版を数えるロングセラーだった。会社には「親切第一神社」を作り、息子の新一の本名「親一」は「親切第一」から来ている。

Xsc110119_001私は小学校から高校にかけて星新一さんの本ばかり読んでいて、ほとんどの作品を読破しましたが、ショートショートで有名なこの作家の数少ない長編小説に「人民は弱し官吏は強し」があります。これはアメリカから帰国した星一が「星製薬」という会社を興し、東洋一の製薬会社に育て上げるものの、官僚の陰謀で破産状態にまで追い込まれるという物語です。ショートショートの軽快感とはまったく異質の、重い重い作品です。

そんな経緯から私自身は星一という人物のことをずいぶん前から知っていたのですが、6~7年前まではいわき市出身という認識がどこかに行っていました。植田の緑川貴之さんという青年会議所(JC)の1個先輩が星一でまちづくりをしようという思いを持っていて、そういえば作品の中に星一の出身地がいわきだと書いてあったなあ、と思い出したのです。2005年に私と緑川さんはJCの大会のテーマに星一を持ってこようとしたのですが、そのときは挫折。

Xsc110119_008それが何と、ひょんなことからドイツ政府が星一に感謝の意を表す記念碑を贈ってくれることになり、2009年の暮れ、「星一プロジェクト実行委員会」というものを立ち上げ、星薬科大の卒業生にしていわき薬剤師会の会長である長谷川祐一さんに実行委員長になっていただき、歴史の中に埋没してしまった「星一」を世の中に呼び覚まそうということになったのです。

そんなこんなでこの1年半ほど、星一についてはいろいろ調べたりまとめたり話したりしてきたため、語りたい内容が山のようになってしまいました。時間があれば本を出したいくらいですが、そこまでの余裕がないので、出来る範囲で今後も星一さんの偉業を讃え、多くの人々に知ってもらえるように取り組んでみたいと思っているのです。

本日は、わずか数名ではありますが、勿来市民会館の敷地に設置された星一さんの胸像と記念碑に対し、献花式を行いました。一族を代表して錦星幼稚園理事長の星昭光さん、勿来支所長の小宅幸一さん、そしていわき市の市民協働課・矢吹課長補佐にも来ていただいて、星一さんを偲びました。

Xsc_0422来週には講演会も行いますし、2月にはちょっとした冊子も発行します。LATOVのいわき総合図書館では2月頭からいわきの生んだ偉人の一人として星一さんの紹介をしてくれるようです。できれば今後、星一さんの著書である「親切第一」の復刻などしてみたいとも思っております。

星一を知ることは、郷土の偉大で魅力的な先人を知ること、明治のアントレプレナーを知ること、利害得失ではない政治のあり方を学ぶこと、「親切第一」に貫かれた一人の人間の生き様を知ること…と多様な側面があると考えています。何より地元いわきにとっては、郷土の生んだ先人を知ることを通して、郷土そのものに誇りを持つことにつながって欲しい、というのが私の願いです。

興味のある方は是非、来週の講演会をお聞きください。また、星一さんを知る本として新潮文庫の「明治・父・アメリカ」と「人民は弱し官吏は強し」を是非お読みいただきたいと思います。講演会の概要は次の通りで~す。

  記

1.日時  1月30日(日)14:00~16:00
2.場所  いわき産業創造館・セミナー室(いわき駅前 LATOV6F)
3.主催  星一プロジェクト実行委員会
4.共催  いわき市
5.後援  いわき市医師会、いわき薬剤師会、いわき歯科医師会
           福島民報社、福島民友新聞社、いわき民報社
6.講師  三澤美和氏
              東京大学薬学部卒業。東京大学大学院薬学系研究科
              薬学専門課程博士課程修了(薬理学専攻)。
              現在、星薬科大学薬理学教室教授。
7.演題  『いわきが生んだ製薬王・星一の人と生涯』

★入場無料、事前申込み不要です。

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コメント

明治・父・アメリカ 人民は弱し官吏は強しの他に「明治の人物誌」もありますよ。この本は星一さんとほかの偉人との交流を描いた作品だと僕は思っています。

投稿: | 2012年1月 7日 (土曜日) 09時42分

そうですね。「明治の人物誌」というタイトルから明治を代表する人物を描いたものと見えますが、星一さんに関連する人物を描いた本ですね。コメントありがとうございました。

投稿: 小野潤三 | 2012年1月 9日 (月曜日) 16時17分

私も遠い血縁ですが子孫にあたります。
このような素晴らしい動きがあるのですね‼
活躍に期待いたします‼

投稿: 星 | 2012年11月30日 (金曜日) 16時18分

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