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2009年12月29日 (火曜日)

ハッケヨーイ、ノコッタ!〈どんどこ紙相撲〉

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いわきアリオスの主催で、「どんどこ! 巨大紙相撲」という企画が行われました。数カ月前、アリオスから私にも協力の依頼があり、「小名浜場所」を担当することになっていました。これはKOSUGE1-16(こすげいちのじゅうろく)という人(というか、2人組のユニット)が全国各地で仕掛けているもので、アリオスがいわきでもやってみよう!ということになったようです。要は、段ボールで等身大の紙相撲を作って対戦しようというもので、土俵、行司、軍配、のぼり…といった大相撲独特の世界を再現する面白さがあります。

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実はわたくし、こう見えても、子供の頃は大の相撲好きでした。父がいつもNHKの相撲放送を見ていたので、小学校の頃は一緒に欠かさず全取組を見ていました。おかげで当時は十両以上で知らない力士はおらず、ベースボールマガジン社の月刊誌「相撲」も購読、何度か質問コーナーに投稿したりと、それなりのうんちくを蓄えていました。蔵前国技館の時代に2~3度、本場所も観戦したことがあります(中学1年の時、マス席のチケットが手に入り、学校を1日休んで両親と観戦したこともあります)。

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相撲の何が面白いかというと、簡単にいうと様式美だと言えるでしょう。スポーツでありながら、独特の所作や形式があり、単に勝負を決すればいいということではなく、それをどう美しく表現するかということにも大きなウエートが置かれている。そして競技だけではなく、生活そのものが独特の文化になっており、競技の周辺部分に独特の世界が広がっていることが面白いのです。

今回の巨大紙相撲というのは、この相撲独特の様式をできるだけリアルに再現してみるというのが楽しいところです。今どき、自分で土俵に上がって相撲を取ったことのある人などほとんどいないでしょうが、紙とはいえ等身大の相撲取りを作ってしまえば、何となくホントの大相撲に見えてきます。呼び出しさんが「ひがぁ~しぃ、○○やまぁ~」と力士を呼び出し、行司さんは烏帽子をかぶり、軍配を持って「ノコッタ、ノコッタ!」と取り組みを仕切る。会場には相撲甚句が流れ、力士の製作者たちは力士とのぼりを持って地域を練り歩き、タニマチ(後援者)を求めて各種懸賞品を提供してもらう…というリアルさは、勝負とはまた別の面白さです。

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アリオスの今回の企画では、地方巡業ということで勿来場所、四倉場所、小名浜場所、平場所を開催。それぞれの会場でワークショップを行い、参加者たちが思い思いの力士を作っていきました。我が家の娘3人には「お前ら、12月19日は小名浜潮目交流館で紙相撲やるぞ!」と有無を言わせず連れていきました。事前にデザイン検討家族会議を開き、我が家は時節柄、サンタクロースでいく、ということになり、下書きを作りました。しこ名は「三太山」。もちろん、「さんたさん」と読みます。性格は「勝負にこだわらない」。得意技は「プレゼント」。

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当日は約1×2メートルの段ボール2枚が提供され、マジックで下書き。この時点で、決められた寸法の範囲に収まっているかのチェックを受ける「新弟子検査」。合格すると、2枚重ねたまま段ボール用のカッターでギコギコと輪郭を切っていきます。そこに色を塗って、髪とひげの部分は綿を貼り付け、腕の補強と後頭部を付け足して完成です! 紙相撲なので背中の部分は山折りになっているXsc_3089ためふつうは真っ直ぐなのですが、我が家のは後頭部が付いています。主催者からもこういうのは初めてだと言っていただき、ちょっと独創性が発揮できたかも(^_^)v。

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完成品はご覧の通り!(→) 1週間前の勿来場所を偵察した結果、自力では立てない前傾姿勢が1つのポイントと判断(前傾したものは相手を寄っていくのですが、直立していると押されるばかりです)。重量も必要とお腹をでっぷりさせ、「勝負にこだわらない」と言いつつ、こだわった作りとなりました(^^;)。土俵上で稽古をしてみると、2勝1敗。上出来といえましょう。

Xsc_3094小名浜の場合は隣の小名浜美食ホテルを練り歩き、各店から懸賞品を頂いて回りました。会の仕切りはアリオススタッフの皆様が全部やってくれて、協力要請された小名浜まちづくり市民会議の出番はそれほどありませんでしたが、我が家ともう1つ、市民会議会長の作山栄一さんを摸した「リアル栄ちゃん」も作製されました。体には「小名浜まちづくり市民会議」Xsc_3133やら「漁業の再生」やら「ぶれない」やら、製作者の勝手なコメントが書かれています。もう一つ、美食ホテルと市民会議内「港町大学」の女子大生・歌ちゃん(御歳70歳?)の協力により、大鍋で作ったちゃんこ鍋が振る舞われました。

ということで、今度は本番、12月23日天皇誕生日に、いわきアリオス中劇場における千秋楽。見事な吊り屋根が掛けられ、土俵は3つ用意されました。実況中継も行われる中、まずは3つのリーグ戦。そこで勝ち残った2力士ずつが決勝トーナメントに進出します。最後に残った3体の巴戦で雌雄が決されます。Xsc_3103小名浜部屋所属の三太山も我が家族とともに気合いが入った様子でした。予選リーグの対戦は4回。紙相撲の場合、立ち合いがけっこう大事-つまりは両力士を組んだ角度で押すか押されるかが影響するようで、三太山、健闘はしたものの2勝2敗と実力を出し切れず、決勝進出はなりませんでした。ヒマになってしまったおかげで、決勝トーナメントでは呼び出しをさせられました。我が娘たちも「意外に面白かった!」と満足げ。いい2日間だったと思います。

アリオスがオープンしたのが昨年の春。いわきの文化の拠点として期待されての開館でしたが、明らかに期待以上の成果を残してきた1年半だったと思います。いわきのまちにとっては医療も教育も産業も重要な課題で、文化施設にこれほどの金を掛けるべきかとの議論も聞かれますが、音楽や演劇、そしてこういったワークショップなどの楽しさは、まちにとって欠くべからざるものだと思います。いわきで一番物足りなかった分野が、今やいわきの売りと言っても過言ではありません。アリオスは箱の立派さ以上に、箱に何を盛り込むかのソフトが問題だと思っていましたが、いいスタッフが揃い、いい施設になったと思います。今回は市内各地を巻き込んでの意欲的な企画。大変よかったと思います。

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