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2008年12月16日 (火曜日)

小名浜大好き!〈フラオンパクまち歩き〉その1

Root_4Xsc_0003「フラオンパク」が2年目を迎え、湯本中心のイベントから少しエリアが広がって我が小名浜も参戦することとなり、6回にわたってまち歩きをすることになった。その第1回が12月14日。朝からパラパラと小雨が降り続き肌寒く、コンディションとしては最悪。でも参加予定者は重装備に身を固め、1人も欠けずに出発した。朝からお昼までの半日コースだったが、とっっっても満足感あふれるツアーだった。小名浜って、古湊って面白い!というのが今日の結論。なお、今回のコースは右の通りである。
http://iwakihula.onpaku.com/

あ、私の立場を言っておかなければならないが、今回のまち歩きを小名浜まちづくり市民会議が担当したので、事務局長の私は案内人の小野浩さんと共に主催者側なのであった。今回ご参加いただいたのは、商社マンとして40年のドイツ暮らしを終え、小名浜が気に入って移り住んでこられたKさんご夫妻、いわき市男女共同参画センターのN所長とそのお孫さん、そして市民会議から3人という7人のお客様たちであった。

朝9時半、小名浜魚市場に集合し、いざ出発。ツアーの目印は小名浜の新しいシンボルにしようという鯉のぼりならぬカツオのぼり。古湊育ちの市民会議大御所Yさんが旗手役に。案内人の小野浩さんはもともと又新造船所というところの出で、今は草野心平文学記念館の専門学芸員という方。歴史家であり手品師であり歌まで歌ってしまう方で、小名浜の歴史を語らせれば1日でもしゃべっているというきわめてユニークな方である。

Xsc_0006まず最初は小名浜漁港へ。第31寿和丸が出漁の準備をしていた。アジ漁に出るという。船の上には黒い網がドサッと山になっており、船員さんがロープの準備をしている。Xsc_0010小野浩さんが別の漁船を指さしながら、船首があんな風に出っ張っているのは波切りの意味があるんだ、と話す。小名浜港のカツオ水揚げは全国3位であること、小名浜に古代の貝塚が3つあること、小名浜の海は遠浅で港を作るのが大変だったこと、など、昔から今に至る漁港・小名浜についての説明をひとしきり。

Xsc_0012歩きながら進むと漁業に関する道具が転がっている。玄蕃(ゲンバ)と呼ばれるプラスチック製の桶を見つけては「近海物の魚はこれに詰めて運ぶんだ」と語り、アルミ製のバットを見ては「これは冷凍サンマを解凍するとき使うんだ」と述べ、遠くいわきマリンタワーを眺めては「あの展望台の高さは59.99m。この『99m』には意味があるんだ」と話し、まさに歩くうんちく。

Xsc_0018_4三崎の入口にある丸克商店前の冷凍倉庫には巨大な捕鯨絵図が描かれており、「いわき市指定文化財・紙本着色磐城七浜捕鯨絵巻に加筆」とある。「内藤さんという殿様が磐城平藩主になったとき、捕鯨を始めたんだ」という江戸時代のお話。黒潮と親潮の交わる潮目の海・いわきは、鯨の漁場としてもとってもいい場所だった。戦後も鯨を捕っていたという写真を見せられ、一堂「ヘーッ」。小名浜は長らく東日本で唯一、製塩工場があるまちだった。現在も「日本海水」という工場があるが、なぜ製塩が小名浜かというのも実は潮目の海と関わりがあったのである。

Xsc_0022_2横断歩道を渡ると朝日製氷がある。製氷屋さんというのも漁業のまちだからこその業種。ショートショートで有名な星新一の父・星一(ほし・はじめ)はご存じの通りいわき市出身だが、日本で初めて冷凍技術をドイツから導入した人なのだとか。Xsc_0023

その向かいにある2階建ての家が案内人・小野浩さんの生家、又新造船所があったところ。かつて小名浜には木造造船所が5軒あり、合併して現在、㈱小名浜造船になっている。漁業のまちに造船所があるのは当然のことと思っていたが、いわきの場合、造船に適した木材が取れることも有利な条件だったということで、他の地域からも造船の依頼があったのだそうだ。造船の技術についてまた、ひとくさり。

Xsc_0032Xsc_0029八間道路と呼ばれる古い幹線道路を横切って、いよいよ古湊地区へ進む。まずはいわき市合併前、磐城市最後の市長、三代義勝(みよ・よしかつ)さんがかつて住まわれていた屋敷の前を通りかかる。現在お住まいのイワキ潜建社長、佐藤紀子さんが、あら何で歩いているの、と声をかけて下さる。これこれこういうわけでまち歩き中ですと説明。三代市長時代の立派な蔵が道路から見える。年に3回咲くという桜の木が咲き誇っていて、驚いた。

Xsc_0038つづいて、老舗のコーヒー卸し・いわき珈琲商会へ。寒い日だったので、店に入るとメガネもカメラのレンズも曇りつく。Xsc_0037_2ご主人の小野さん夫妻が出迎えてくれ、挽きたてのコーヒーをごちそうしていただく。そうそう、古湊地区はとりわけ小野姓が多い。酸味のあるコーヒーの温かさが五臓六腑に染み渡る。実は当店、昔むかしは造船所。Xsc_0044上記の小名浜造船を構成する造船所の1つだった。40年前にコーヒー卸しを始め、今や市内の喫茶店、レストラン等に広くコーヒー豆を卸す会社に成長している。今、業務の中心は平だが、自宅を兼ねた古湊の本店でもコーヒーや各種業務用食品が安価で販売されている。お店の歴史などをいろいろ伺う。

Xsc_0053Xsc_00471軒はさんですぐ隣に行くと、画廊の「ギャラリーi」がある。ご主人の小島(おじま)さんが出迎えてくれ、Xsc_0051ギャラリーの説明をしてくれた。今月は予定されていた展覧会が中止になってしまったということで、彫刻家・湯川隆さんの作品がいくつか展示されていた。こちらはもともと醤油の醸造をしていた由緒あるお宅だ。古い母屋は明治21年に建てられたものだったが、老朽化に伴い平成4年に建て直したという。古い家がなくなってしまったことは残念だが、ギャラリー内には立て替え前の戸棚がそのまま用いられており、ディスプレー用のカウンターはもともと神棚だったのだという。面白い。
http://www15.plala.or.jp/galleryi/

Xsc_0065次は、はす向かいのサクマ食品へ。知る人ぞ知る干物の名店。Xsc_0055地元の人だけが知るいいお店というやつがよくあるが、小名浜で言えばまさにここがそう。同じ魚を干すのになぜここのは美味しいのか? Xsc_0064秘密はあるらしいが、謎。しかも安い。たとえば一串500円。しかも、小名浜で取れた地物の魚でしか干物を作らない。Xsc_0069本日干してあったのは、ドンコ、ニクモチ、タラ、メヒカリ、ヤナギ、アブラギス、イカ、ノドグロなどなど。メヒカリやサンマ、キスなどの干物をフライパンでさっと温め、試食をさせてもらう。うまい。これは、うまい。
http://www.town-clinic.com/ town/iwaki/sakuma/index.html

Xsc_0073小野浩さんの説明を受けながらこの古湊の道を進む。日本を代表する建築家、隈研吾氏が本堂を設計した港ヶ丘の冷泉寺を横目に見ながら、
http://www.reisenji.or.jp/
Xsc_0078ここ数年リフォーム業で元気な志賀塗装・本社を通過し、
http://www.reform-shiga.co.jp/
創業から150年を数える味噌・醤油の醸造店、緑屋商店と、うだつのある旧家、カンジ屋を過ぎる。緑屋には終戦まで日本海軍の嵐部隊(人間魚雷)の事務所で使用された建物があり、旧磐城市役所庁舎(現・いわき市小名浜支所)とXsc_0079同じ人物の設計とのこと。

Xsc_0081_2うだつについては以前に述べたが、港町独特の建築様式で、屋敷の正面に突き出た壁のことを指す。家の格式を表すものと言われる。古湊地区でうだつが残っているのはカンジ屋、酢屋、塩屋の3軒。カンジ屋と塩屋は近年、住居を新築したが、うだつのある母屋はそれぞれ残した。
http://loveiwaki.cocolog-nifty.com/duketogo/2006/02/post_51fd.html

(その2につづく)
PC http://loveiwaki.cocolog-nifty.com/duketogo/2008/12/post-c903.html
携帯 http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/183095/161453/55571824

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始めまして、9月から毎年1年の半分を小名浜で過ごすべくヨーロッパから参りました好奇心の旺盛な夫婦です、今日までおまわりさんと救急車と消防自動車にはまだお世話になったことはありませんが毎日親切な小名浜の皆様に囲まれて楽しく過ごさせて戴いております。私共は何処に居りましてもグルメと歴史に興味がありますので今回の企画は私共の願いを充分満足するものでした。これからも楽しい催し物の企画をお願い致します。
生牡蠣

投稿: | 2008年12月22日 (月曜日) 11時32分

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