« <(_ _)>〈小名浜まちづくりステーション〉 | トップページ | 蘇る漁港の賑わい〈国際環境芸術祭〉 »

2007年9月25日 (火曜日)

古代のロマン香る〈勿来の関〉

★まずはブログランキングに投票してください(^_^;)
http://blog.with2.net/link.php?219484
「勿来」はなぜ「なこそ」と読むのか。高校時代、3年間まったく授業をしてくれなかったH教諭から教わったことで唯一覚えているのが「な…そ」。これで「…するな」という禁止の意になる。北原白秋の「春の鳥/な鳴きそ鳴きそ/あかあかと/外の面の草に/日の入る夕」の「な鳴きそ鳴きそ」がよく知られるところで、「春の鳥よ、鳴くんじゃない」という意味になる。つまり「なこそ」は「な来そ」ということで、「来るなかれ」「来るな」という意味になる。

Xsc_0025春先に勿来文学歴史館の前に吹風殿という建物が出来た話を聞いていたので、家族で行ってみた。何かそれらしい展示でもあるのかなあ、と思って。文学館の方も実は中に入ったことがなかったので、見学。その中で、ああ勿来って古代の雅(みやび)な人々にロマンをかき立てた土地だったのだなあ、と感じ、冒頭の説明と相成ったのである。

Xsc_0013_2まず文学館について語ると、順路としては2階の企画展、「歌枕なこそ」の常設展示、そして長いスロープで1階に下り、「不思議タウンなこそ」の常設展示と3つのエリアから成っている。企画展は最近までゲゲゲの鬼太郎をやっていて、今はお香の展示がされていた。ちょっとスペースが狭くて物足りない。

Xsc_0015「歌枕」はなかなかよかった。今日のすべてはここと言ってもよい。大きめのスクリーンと小さな沢山の画面が並んでいて、和歌などに詠まれた「なこそ」が詩的に綴られていく。音と光と言葉が織りなされて、奈良・平安貴族の心の内にあった「なこそ」の地が感じられたような気がした。大和朝廷が日本列島を完全に支配下に置く以前、北海道・東北は蝦夷(えみし)の地であり、いわばそことの国境線が「勿来の関」だったわけだ。だから「来るな」は日本人に向けていった言葉ではなく、「野蛮人たちよ、ここからは日本だから、こっちに来るな!」ということだったのである。上方の貴族たちにとってはとてもとても行くことの出来ない辺境の地であり、それだけにロマンかき立てられる場所が「勿来」だったわけだ。だからこそ行ったこともないのに和歌に詠まれるし、ぶっちゃけた話、それが厳密にどの場所なのかなんてことはどうでもよかったのである。いわば西洋の人々が憧れた「ジパング」に近い感じなのではないか。…といったあたりの気分が感じられた「歌枕」の展示であった。

ここで興ざめな話をするのもなんだが、勿来はどうやらホントはここではないらしい。学術的にそれはかなりはっきりしているらしく、どうも仙台付近がホントの勿来らしいのだ。いわきの殿様で内藤さんという人がいたが、この方が文化人で、そのとき「ここが勿来だ」と言い出したらしい。誰も異議申し立てをしないうちに、それが定着してしまったようだ。知ってしまうとちょっとガッカリだが、でも内藤さんはよくやってくれたのではなかろうか。上述の通り、ある意味場所ではなく「勿来」はロマンなのだ。それをゲットしたのだから、「勿来」のロマンはいわき市民が頂いておこう。

続く1階の展示は「江戸時代の宿場町の雰囲気を味わいながら、ゲーム感覚のミュージアムサイト」なのだそうで、うん確かにそんな感じは出ている。子供たちも喜んだ。でも、展示自体に何も説明が書いていないので、江戸時代なのかどうかも判然としないまま終わってしまった。
http://www.iwakicity-park.or.jp/bungakurekishikan/

Xsc_0006はい、では最後に「吹風殿」について。「寝殿造り」だそうで大変立派な建物。きっと相当建設費もかかったのだろう。何があるのかなあ、と思って中に入ったら、何もない。ボランティアらしいおじさんに「ここはなんのための施設ですか」と聞いたら、1日2000円ぐらいでサークル活動なんかに使ってもらうのだそうだ。この日は来場Xsc_0010者も少なく、利用者もいなかった。「平日はけっこう使われているんですか」と聞いたら、「いやあ、たまにね」。「??」…どういうこと? こんな立派な施設なのにたまにしか使ってないの? Xsc_0007ここは何でも体験学習施設なのだそうだが、位置づけとしては休憩所なのだとか。ん~、ずいぶん高い休憩所だこと。実態はもう少し正確に聞いてみないと分からないが、そんなことがありうるのかと、しばし呆然としてしまった。
http://www.iwakicity-park.or.jp/bungakurekishikan/suifuden.html

さはさりながら、「勿来」のロマンを是非最大限に発揮していただきたいと思う今日この頃である。取って付けたようなまとめで、失礼しました。

|

« <(_ _)>〈小名浜まちづくりステーション〉 | トップページ | 蘇る漁港の賑わい〈国際環境芸術祭〉 »

コメント

『こ、き、く、くる、くれ、こよ』未然、連用、終止、連体、已前(いぜん)、命令。
高校時代というとんでもない昔に教わった割には覚えているもんですね。
ちなみに「なこそ」は未然形ですね、「くるなかれ」ということになりますから。

投稿: shig. | 2007年9月25日 (火曜日) 10時28分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/161453/16563726

この記事へのトラックバック一覧です: 古代のロマン香る〈勿来の関〉:

» リンクのお願い [iiwaki の blog]
ブログやHPから iiwaki へリンクしていただけると大変うれしいです。 バナーご自由にお使いください。 [続きを読む]

受信: 2007年9月30日 (日曜日) 20時49分

« <(_ _)>〈小名浜まちづくりステーション〉 | トップページ | 蘇る漁港の賑わい〈国際環境芸術祭〉 »