« 夏の夜空に大輪の花〈小名浜花火大会〉 | トップページ | 慰霊の伝統芸能〈じゃんがら〉 »

2006年8月15日 (火曜日)

世界のコバケン、世界の技を伝授す〈指揮法セミナー〉

★まずはブログランキングに投票してください(^_^;)
http://blog.with2.net/link.php?219484
言わずと知れた「炎のマエストロ」コバケンこと小林研一郎氏は小澤征爾氏に勝るとも劣らない世界的指揮者である。いわき市出身者の中で世界的に最も活躍しているのは疑いなくこの方であろう。

「言わずと知れた」と言いつつ、この偉大な指揮者の偉大さを(下手をすると存在すらも)認識していないいわき市民が意外にいるのでちょっと書いてみると―
・小名浜一小、小名浜二中、磐城高校を経て、東京芸大の作曲科と指揮科を卒業。
1974年、第1回ブタペスト国際指揮者コンクールで第1位、特別賞を受賞し、華々しく世界デビュー。以来、ハンガリーではなくてはならない存在になったと言われる。
・現在、ハンガリー国立フィル桂冠指揮者、名古屋フィル桂冠指揮者、日本フィル音楽監督、チェコ・フィル常任客演指揮者、東京芸大教授、東京音大客員教授。
・記憶に新しいのが、2002年5月の「プラハの春音楽祭」。チェコフィルから白羽の矢を立てられ、オープニングコンサートで指揮。チェコ民族の心と言われる「我が祖国」を東洋人として初めて振り、満場の聴衆の熱狂的拍手とスタンディング・オベーションがやまなかった。
http://www.it-japan.co.jp/kobaken/

Xmg_3122Xmg_3135このコバケンの深い音楽的世界と指揮の技を伝授するのが「指揮法セミナー」。1983年以来約20年間、北海道の女満別(めまんべつ)町で「オホーツク国際音楽セミナー」が開催され、その中でコバケンの指揮法セミナーが続けられてきた。
http://www.asahi-net.or.jp/~zi6y-mrkm/6_seminar/seminar_menu.html
このセミナーがコバケンの故郷・いわきに開催地を変えたのが2年前の2004年。Xmg_3145以来、3年目の今年まで毎年お盆に30名の受講生を集めてセミナーが行われている。今年は8月13・14日の両日、平の音楽堂で行われた。

Xmg_3146セミナーではプロの指揮者の卵、地域のオケの指導者、学校の音楽の先生、芸大の学生など多様な人たちがコバケンの指導を受ける。今年も「昨日ウィーンから帰ってきました」という人を始め、東京、大阪、島根など全国各地からやってきたようだ。2回目、3回目という人はもちろん、女満別以来10数回目という常連もいる。Xmg_3149何でも今回は、東大の物理学科を卒業して芸大指揮科に入り直した人とか、すごい人たちもいたようだ。

セミナーの様子は公開され、3Fの部屋でモニターに映し出される様子を拝見した。私のようなクラシックの門外漢にとって以前は「指揮者って何する人?」という感じだったが、見ていると、指揮者こそが演奏を作り上げる人だというのがよく分かる。1つの交響曲の中でも激しい部分、静かな部分など多様に表情は変化する。指揮者は作曲者の曲にこめた思いを最大限に読み込み、解釈し、表現しようと試みる。その解釈が間違っていたり、表現が不十分であったりすると、間髪を入れずマエストロ(巨匠)の叱責が飛ぶ。「はあ~、『運命』ってこういう曲なのね…」-マエストロの捉える『運命』の世界が少しずつ分かってくる。演奏家がどんなに優れていても、1人の指揮者によって統率されなければ、オケは素晴らしいものとはならないのだということがよく分かる。

Xmg_31542日目の最後は、受講生たちがいわき交響楽団を指揮するジョイントコンサート。モーツァルトの『アイネクライネ』、ベートーベン『運命』、ドボルザーク『新世界から』などを演奏。Xmg_31641つの曲を数名で入れ替わりながら振るというふつうにはないコンサートなのである。途中、振り方に問題があるとコバケンが演奏を止めたりというのもこのコンサートならではのこと。Xmg_3168

このセミナーはいわき市やいわき商工会議所が主催しているが、単発のイベントというにとどまらず、鳴り物入りで建設が進められているいわき市文化交流施設を拠点とするいわきの音楽文化づくりのために重要な取っかかりとなるべきイベントである。私は去年、いわきJCを卒業するにあたり、いわきのまちづくりの方向性として、コバケンを中心としたいわきの音楽文化育成を遺言として残してきた。JCがその担い手になれるかどうかは別として、いわきには吹奏楽も合唱も全国で金賞を取るような中学・高校の裾野の広い音楽文化の素地がある。コバケンという見上げるようなトップレベルの音楽家もいる。そして今度は立派なホールというハードも完成する。
http://www.iwaki-ce-partners.jp/

指揮法セミナーも3回を数え、今後は地域を巻き込んだ音楽祭などに展開すれば素晴らしい。私の願うのは、小澤征爾氏が中心に行っている長野の「サイトー記念フェスティバル」のような音楽祭。いつの日に実現するか分からないが、指揮法セミナーを見ながら、夢は大きく広がる。

Xmg_3179数時間にわたりセミナーの様子を見ていた我が娘たちだったが、最後は疲れ果て、この有様。でも、ホンモノに触れるということは、今は分からなくてもきっと財産になるはずである。

|

« 夏の夜空に大輪の花〈小名浜花火大会〉 | トップページ | 慰霊の伝統芸能〈じゃんがら〉 »

コメント

小野様、指揮法セミナーにお越しくださり、詳細に取り上げていただきましてありがとうございました。
ジョイントコンサートのときデジカメ片手に大きなまなこで見入っていらしたので、おっ、書いていただけるんだなと期待してましたー。

演奏する側から言いましても、指揮者の棒ひとつで演奏はまったく変わります。オーケストラの団員は、今度の指揮者はどれだけのものを我々から引き出してくれるのかと鵜の目鷹の目です。
だから、指揮法セミナーの受講生はすごーい緊張感でしょうね。50人からの鋭いまなざしを一身に浴びながら、コバケンにどなられて・・・

新しいホールの完成が、いわきの音楽文化振興に拍車をかけてくれることを期待しつつ、我々オーケストラもその一翼を担わせていただけるように日々精進いたします!
これからもよろしくお願いしまーす。

投稿: OKAR | 2006年8月17日 (木曜日) 10時39分

私は小林さんの6年年下。そのため小・中・高と揃って後輩です。
高校では歌を歌っていたので、そちらも後塵を拝しています。何度か練習場にいらしていただいたこともあります。歌うほうも見事なテノールで上手です。どこかヨーロッパの劇場で、ベートーベンの第9を演奏する際、テノールのソリストがなぜか到着せず、指揮者の小林さんが、指揮とテノールソロの両方を演じたという、普段では考えられないエピソードがあったとお聞きしています。
若松紀志子先生という優れた指導者が磐城高校で音楽の指導をされており、音楽を好きになった卒業生はずいぶんいると思います。
磐高→芸大または音大という経歴の持ち主を何人か知っています。いまの教育体制ではなかなかこんなことはできないのですが、ご本人の努力の結果でしょうね。
小林さんとは一度広島の全日空ホテルで偶然お会いしたことがあります。HPの演奏会日程を見ても、相変わらず東奔西走の日々ですね。
最近は時折大阪のシンフォニーホールで演奏会を聴かせていただくことがあります。ダイナミックな指揮ぶりで、感動します。
余談ですが、磐城高校音楽部では、小林さんが学生時代に作曲された『千曲川旅情の歌』をレパートリーにしていましたが、さて、今ではどうでしょうね。

投稿: shig | 2006年8月17日 (木曜日) 13時58分

shigさん、コメントありがとうございます。マエストロは大変な美声でもあります。長兄は飲みに行った席でしばしばマエストロにカラオケの指導をされておりまして、指揮法セミナーよろしく、大変厳しいコメントが続くようです。それも余興ということですが。

投稿: 小野潤三 | 2006年8月21日 (月曜日) 07時14分

OKARさん、ミストレスにコメントいただけるとは光栄です。私がデジカメで写真を撮っているのをステージ上からご覧になっていたというのは驚きです。さすが余裕がありますね。いわき交響楽団としても、是非文化交流施設のよいスタート、そしてコバケンにいわきの音楽文化育成に大きくコミットしていただけるよう、頑張っていただきたいと思います。

投稿: 小野潤三 | 2006年8月21日 (月曜日) 07時17分

都内板橋区に住んでいるときに、板橋区民によって結成された第九の合唱団の一員になったことがありました。
そのときの指揮者がコバケン氏。
前日のオケとのリハーサルで合唱隊は大変な大目玉を食らったことが忘れられません。

今日はうつくしま文化トークですね。

投稿: 若隠居 | 2006年8月21日 (月曜日) 10時14分

もう、ほぼ一ヵ月ですね。なかなか新しい話題が出てきません。期待してますよ。

投稿: shig. | 2006年9月12日 (火曜日) 11時34分

あ、すみませんっっっ
お盆以降、某集まりの地引き網、子供会の球技大会、PTAの球技大会、幼稚園の教育講演会、PTAの東北大会と週末に行事が立て込んでおりまして、ネタのストックはあるのですが書くヒマがなくて苦しんでおりました(T_T)
書きかけの文章が公開されずにWEB上にとどまって1カ月近く経ってしまいました。

もう少々お待ちを…

投稿: 小野潤三 | 2006年9月12日 (火曜日) 13時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/161453/11446774

この記事へのトラックバック一覧です: 世界のコバケン、世界の技を伝授す〈指揮法セミナー〉:

« 夏の夜空に大輪の花〈小名浜花火大会〉 | トップページ | 慰霊の伝統芸能〈じゃんがら〉 »